「どんだけヤバい本を想像してるんですか」
「ううん。ヤバくない。そういう準備をして読む物ですきっと」
「読むと死ぬって事ですか?」
「そうじゃなくてですねぇ……なんて言えば良いかなぁ。〝この世で一番面白い小説〟って、きっと世界を変えてしまうポイントなんですよ。あれだ、ターニングポイント。転換点なんです。この世界を、その小説の前と後の二つに分けてしまうような、読んだらもう二度と前の世界には戻れないような、そんな線路の切り替えポイントみたいな、そういう小説なんだと私のよく当たる勘は言ってます」
(p.111-112)
◇
小説版[映]アムリタ
じゃねーか。
「世界を変えてしまう」「ターニングポイント」「転換点」「世界を前と後の二つに分けてしまう」「読んだらもう二度と前の世界には戻れない」「線路の切り替えポイント」…… っていずれも[映]アムリタの二見くんを思い起こさせるワードばかりで、背筋がゾワゾワする。
付白詩作子が語る〝世界で一番面白い小説〟の特徴が、ほとんど最原最早の撮る映画のそれと一緒で困る、、、
……と思っていたら後半で分岐したね。
一応差別化されている、のかな。
とりあえずパーフェクトフレンドまで借りているので、今度こそシリーズサクッと読了したい。
〜その他適当に感想メモ、ネタバレあり〜
物実さんの塾講師設定が自然で良い。
あとレクチャー・4の冒頭の長台詞、良い感じにゾワッとした。
まさに今わたし(=読者)が読まされている「小説」という媒体がテーマということもあって、地の文でしれっと作中作やメタフィクション構造を匂わせておくミスリード?が素敵。
ひねくれた読者ほど簡単に引っかかるなぁ。
(何も考えずに読むと逆にスルーできる… か?)
そういや本作は主人公の親友が終盤の展開に絡んでくるタイプだった。
このシリーズでは割と珍しいような。
◇
おまけ。
そういえば、三〜四週間くらい? 前? にストレンジボイスを再読していたのでした(ログに残していなかった)
これを読むのは大学生以来だなー。
内容は相変わらずピンと来なかったのだけど、それでも水葉の「他人に悪意を向けられるとダメ」という独白が棘のように刺さり、一向に抜けようとしない。
まんまわたしなんだよな、これ。
もちろん程度の差はあるけれど。
面白いとか面白くないとかそういう話ではなく、ああわたしだ、と思って読んだ本でした。変なの〜。