「深く感動させる、というのは」
答えてくれたのは最原さんだった。
「上映時間、例えば二時間の中で、見た人を笑わせて、怒らせて、泣かせて、希望を抱かせて、失望させて、願わせて、祈らせて、諦めさせて、死にたいと思わせて、それでもまた生きたいと思わせる。そういうことです」(中略)
「映画を見て、人生を過ごしたのと同じだけの感動を与えられればいいんです」
(p51)
何か本が読みたい、しかし長尺はめんどくさい*1、という読者の我儘に見事応えてくれる逸品。
薄く・軽く・短時間でサクッと読めて、読了後に「なんだこれは」と思わせてくれる。
途中で転調して、ラストはきちんと後味が悪い。
(しかも二度もひっくり返す)
求めているものが全部詰まった、まさに今の自分にぴったりな一冊だったわけです。
や、ほんとに軽く読めるんですよ。
テンポとセンスの良い掛け合い漫才もさすが。
シリーズ関連作があと5冊あるけれど、なにせ薄いので残りも読むと思う。
……ただまあぶっちゃけ言うと映画版バビロンですよね、この作品。
◇
オマケ
今回読んだのは旧装版ですが。
ていうか新装版、最原最早のヘアピンがなくなっちゃってるじゃないですか(憤怒)*2