nocturne

NOCT

お気楽お日記 ꜀( ꜆ᐢ. ̫.ᐢ)꜆

絶望系 閉じられた世界 読んだよ

「逆立ちした蛸を思い浮かべてください」

(中略)

「水面から八本の足が出ている。それぞれの足は根っこで同じ胴に繋がっています。でも海中の様子を見ることができなければ、表面的には八つの別々の生き物が独自に蠢いているようにも見えるでしょう」

(p241)




「だから、それがこの世界の人間なんです。水面上の蛸の足一つ一つ、それがあなたたちが目にしている自分であり、他の人間なんです。人類はすべて目に見えないところで繋がっているんですよ。決して単一の個体ではないのです。海に点在する島が海底で大地と繋がっているように、あなたがたは全員同じものなのですよ」

(p242)




「なぜなら彼女は一本足の蛸です。彼女の足は他の誰にも繋がっていません。真の孤独とは、彼女のために用意された言葉ですよ」

(p243)

読んだよメモ。
感想は無し。ネタバレは有り。




< おk?





また〝世界を自分の好き放題にできる〟物騒な女に振り回される少年(青年)の話だよ!
今年に入って何回このパターンを読んでるんだ……


23日・24日・25日あたりかな?
毎晩、寝る前にお布団にくるまりながら、80〜100ページずつ読み進めました(相変わらず睡魔と戦いながら…… だけど)

すんごい奇書!! というよりは、単にダークで血みどろなお話だったかな?

信用できない語り手という意味では、2021年に読んだ「キリングメンバー」に近かったかも。

ヤベー女的には野崎まど作品とか。
どこか「キミとは致命的なズレがある」と共通する雰囲気も感じた。




あと天使と死神が無意味で不毛な議論しているところとかたのしかったです(小並)


「そなたに言われるまでもなかろう。確かに我らはおかしくも狂いもしておる。それは間違いのないことである」

(中略)

「だが、そなたもまた同じなのだ。なぜそれが解らんのか、我には見当もつかん。この世あの世の区別なく、あらゆる人性は狂気に冒されておるのだ。ヒト的な意識の持ち主は均等に、平等に、差別の一欠片もなく狂っておる。正気なのは意識を持たない無機物のみなのだ。とっくに気づいているものと思っておったが」

(p256)