nocturne

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お気楽お日記 ꜀( ꜆ᐢ. ̫.ᐢ)꜆

最近読んだ本5つ


「……お前がなんで居心地悪くて、そのくせ、そこから動けなくなってるか教えてやろうか、筧くん?」

「何でです?」

「主役になり損ねたからだよ。逃した機会に未練たらしく縋り付いて、その割りには終わった話だとも分かってる。別れた女が忘れられなくて新しい彼女が作れないのと一緒だな」

──「デスペラードブルース」

以下読んだ順。


「柔軟力」
──明豊以上に智辯和歌山の練習に詳しくなれる川崎監督の本



「だから私はメイクする」
──つよくて綺麗でブレのない女にわたしはなりたい

素晴らしすぎて床ローリングしたよね。

全員共感できすぎてつらいのだけど中でも「会社では擬態する女」が最高&最強に好き!!
あと「痩せたくて仕方がない女」とか。

(比喩、直喩の使い方がおかしいのはちょっとだけ気になるが、文章のノリと勢いを重視したであろうことはわかる)

「浪費図鑑」、「シン・浪費図鑑」も必ず読みます!

追記:読みました!



「タクティカル・ジャッジメント
──惰性と執念でなんとか読み切った法廷ミステリ逆転裁判風味

特に何も言うことがない。無。


おそらく、“一人称の口語調” を目一杯活かそうとしたのだろうけど、そうはいってもやっぱり地の文で「おっさん」「おばはん」を多用するのは何かモヤる………… とは思った。

(しかも前者はヒロインの実父やないの…… モヤる)

一方、このお話の目玉であるどんでん返し部分は、ガチで、マジで、本当ーーーに、えげつないことをやっていてちょっとコレ大丈夫なんかいな、という感じ。
主人公たちの今後が本気で不安になる。

※この物語はフィクションです。の但し書きが必須でしょうね、この本は。

実際にあんなのやってしまったら、怒られるとか減給処分なんてものじゃ絶対に済まない。

ただまあ、舞台が裁判員制度などが導入されていない時代の日本…… ということで、当時の作者の意見・思想があれこれ盛り込まれているわけで、その点に関してはなんだかんだ興味深かった。

でもやっぱりキャラクター造形なんかが大分アレなので、総合的には虚無と言わざるを得ない。ごめん。



「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 S.ex」
──3ヶ月もの間寝かせておいて本当に申し訳ない

『極限状況に追い込まれた皆さんがどういう反応を見せるのか、わたしはここから高みの見物をさせてもらいますからね……。ああ、しかしこういう加害者的立場は最高です!本編はラノベ的なお約束を守らざるを得ない以上、美少女のわたしはどうしても被害者役ばかりだし!やっぱりラノベってクソですよ、クソ!!!!! おファッキン!!!!!』

「言うに事欠いてんな……」


リリース日に真っ先に購入したくせに三ヶ月もの間放置していたのは、この本が再録中心本で、既に読んだことのある話が多かったからです。

むしろカクヨム掲載のあの話とかこの話を入れて欲しかったー!! みたいなのがいっぱい。ちょっと悲しい。

そんなわけでしばらく寝かせていたのだけど、この度ようやく手に取りました。以下感想。

師弟と仲間たちが相変わらずアホやっていて楽しい。
お気楽にサラッと読める。
女の嫌な部分を詰め込んだような存在*1のヒロインもおバカわいい。
というか今回普段以上にサヨナが調子に乗りまくっていて最の高。

仮にもヒロインを名乗るんなら、成人男性三人をセックスしないと出られない部屋にぶち込むのはやめろ。


しかし今回カニダスが完全にドM気質でクソデカ感情の過激ヤンホモストーカー幼なじみでしかなくて、いや元々そういうキャラ付けではあったのだけどこの特別編で異様に悪化してしまっていて、いえわたし的にはめちゃくちゃ楽しいんですけど、わたしは楽しいから別に良いんですけど!! でもそれで、それで本当に良いんですか公式…………!? みたいなきもち。

つーかマゾ気質って以前からあったっけ?

本当にこれで良かったのか?
美味しく頂きました

加えてあとがきのあまりの真摯さに泣きました。
これ、あとがきだけでも十二分に読む価値があると思うんだ。

有象さん、本編三冊+カクヨム掲載版数話+電子限定一冊(この本)、本当にお疲れ様でした!!



デスペラードブルース」
──わりと終盤まで青春小説だと思っていた(今も思っている)

俺がいたら家族を救えたかも知れないのに、なんて後悔ではなかった。

認めるのはキツいものがあるが、俺はきっと、もっとくだらない勝手な理屈を抱え込んでいたのかも知れない。

俺は主役を張れるチャンスを逃してふて腐れていただけだ。


前述した法廷ミステリとは一転、こちらは一人称小説の強みがこれでもかと言うくらい溢れている。

台詞中の読点の打ち方が独特(地の文は普通)で、元々生っぽい台詞をさらに生っぽく仕上げている? ところも好み。
瀬川澟汰のポルシェに関する話が本当に好きで好きで、何度か読み返しました。


個人的には本書は青春小説の一種だと思っているのだけれど、どうなんだろうね?


9/15追記:( ’ω’)ファッ!!? 4巻出るんですか!?
わたしが1巻を読んだこのタイミングで!?!?!?

(ものすごい偶然……!)


これはもう続きを読むしか…………?


感想は適宜追加。
念願だった川崎監督のご著書がようやく読めたのと、江波さんのデスペラードブルースが特によかったです。

(だから私はメイクするもいちいち眩しくて尊くて悶絶した)

*1:……とユージンが言っていた。