結局ミステリでも青春エンタメでもないな、これ。
因果は巡り、誰も彼もが溜まったツケを払う羽目になる。
最後の最後でデカい爆弾を落としてきたパニッシュメント(好き)と比べ、本書の読後感は穏やかでかなり良い。
まあ本質的なところではほとんど変わっていないのだけども……
このラストを見るために、自分はここまで読んできたのだとさえ思った。
良かった。
以前読んだ愚者のジャンクションを煮詰めて煮詰めて一切の妥協無く露悪的にしたのがこっちって感じ。
若干人を選びそうだけど私は大好きなやつ。
ついでにこの物語の主人公である享一がとても良い。
割とどうしようも無い感じのサイコでクズ。
性格も信条もねじ曲がってるよなコイツ…… って何度も思わせてくれるタイプのクズ。
真っ直ぐで性根の優しい方はとことん嫌いそうなキャラ造形だけど、ひねくれてる自分からするととにかく好きなキャラクターだった。
重ねて言うけど彼はドクズです。
人によっては死ぬほどイライラするだろうし、なんなら本を壁に投げつけると思う。
◇
以上。
しかし文庫本1冊だとどうしても4時間以上かかるなぁ。