これから死ぬ人間を目の当たりにするのは、初めてではない。
生死とは、心臓の鼓動の有無だけをいうのではない。
もっと別の死に方だって、この世にはたくさんある。たとえば、錬金術師がマグダラの地を諦めるとか、たとえば、修道女が自分の身体を売りに来るとか。
(p396)
1冊でも読み応えしっかり。
全体的に質が高い。
以下とりとめも脈絡もない短い感想。
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これって言うほどファンタジー? とか思ってたけど、なるほど、最後まで読んで納得。
ファンタジー成分はそこだったか…… 予想の斜め上でした。
(とか言いつつ、現時点でファンタジー要素は非常に希薄なため、自分みたいなファンタジー苦手なんです勢にも気軽に勧められそう。まあ今後の展開次第なところはあるけれども……)
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しかしクースラは本当にずるい奴だと思う。
本当に…… この男は…… もう……(呆れ)(にやにや)
女慣れしているからか、ボディタッチが自然すぎるんだよ。本当にもう。
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長いこと自分はバトルファンタジーしか受け付けない体質だと思っていたんですけど、ド派手なアクションやクールな能力、カッコいい武器が登場しなくてもまあまあ大丈夫なことがわかりました。新たな発見。
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1冊まるっと使って、二人の出会いを描いた本作。
良い意味で丁寧が過ぎる…………
全体的に高品質なファンタジーで文体も好みなので、今後もまったりゆっくり追っていきたいです。