実のところ、未だにジャンクションに打ちのめされてます。
すごいよ…… 読み終えてからかなり時間が経つのに、未だに頭の中をぐるぐる駆け巡っているんですよ。
ここまで強烈に頭に残られると、もう嫌でもオールタイム・ベストに入れざるを得ないというか。
むしろ入れないという選択肢が存在していないというか。
私的にレターズ/ヴァニシングと同程度の衝撃、と言ったら果たしてその凄さが伝わるだろうか?(伝わってほしい)
二冊できちっと読ませ、読者をパーフェクトに打ちのめしてくる。少しも無駄のない傑作です。
◇
好きな場面とか
(本編のネタバレを含みます)
「……教えてください灰賀くん。私はどうするのが正しかったのでしょう」
とても難しい話だ。
僕なんかでは、彼の苦しみも悲しみも、まったく共感してあげることはできない。そんな壮絶な物語だ。
少しだけ考えて、僕は高校生らしい、難しくないありふれた返事をした。
個人的にSide evilで黒田が灰賀に“ 自分は本当はどうすれば良かったのか “と尋ねるシーンがゲロ吐くほど好き。
本来的には切なく悲しい場面であるはずなのに、あぁ、黒田さんって真性のサイコパスだったんだなって気づくあのシーンはどこか美しくもある。
孤独で哀れな事実の判明とは同時に耽美さも孕むものだから。
そして、飾らない灰賀くんの返答がいかにも彼らしくて。
……。
いいよなぁ。いいよねぇ。
読後に感じるあの虚脱感含め、たまらなく好きな作品である。
本書と出会えてほんとによかった〜!(と言いつつやっぱり打ちのめされている)
「木下さんに、好きだって言えば良かったんじゃないですか?」