深海パニックホラー小説。
以下は過去の記事からのコピペだけど、
すっげーーーーーーーーーーーーおもしろかった。
久しぶりにページをめくる手が止まらないという体験をした。
ベタというかお約束というか王道というか…… なよくある展開の退屈さを世界観と設定とリーダビリティの高い文章で補っている。これは楽しい。
時代設定は近未来（西暦2145年）（130年後の世界は近未来で良いですよね？）
「大海害」によって海の底に水没した日本とか、希少な適合者が自らの血液にソラリスを混入することで覚醒する「水使い」とか、海底に建造された謎の施設とか…… SF色の強い世界観がほんっとロマンの塊で素敵。
いちいち私のツボをくすぐってくる。
あとなんと言っても主人公のミナトくんがめちゃくちゃ！ 好み！！ なんです！！ け！！ ど！！！大声！！！！！
だそうです。テンション高ぇーな。
ちなみにこれ以外に書いておきたいことが最低でも二つあるんだけど、
（※以下ネタバレ注意）
・本作で一番の絶望ポイント（鬱ポイント）は女の子たちが無惨に死ぬシーンではなく最愛の幼なじみとの別れでもなく、アイシュワリンが生還したことを知る場面なんだよね。
彼女に死んでいてほしかったわけではないけれど、ていうかむしろ生きていてくれて喜ぶべきなんだけど、じゃあ訓練生たちは本当にただの無駄死にだったわけ？ ってどうしてもなっちゃう。
彼女たちは本当に無駄死にだったの？
ミナトの脳と心にとんでもないトラウマと罪悪感を植え付けて？
これってアイシュが生還できなかったパターンよりももっとずっと救いがない気がする。
あれ？ でもそれってもうアイシュワリンに死んでほしかったって言ってるのと同義じゃない……？
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このへんまで考えたところで、不意に自分の思考に気づきゾッとした。
私はこんなふうに考えるタイプの人間じゃないと思っていたのに。
本当に、心の底から、趣味が悪いと思う。大好きです。
・ミナトくん、十八歳。
「教官」とは書かれているし本人も周りも実際にそう言っているけど、「大人」とは一度も言われてないんですよね。
これは色々考えちゃうわ。
彼だってまだ10代の、大人と子どもの間じゃんね……
せめてハタチならなーと思ったけど、そうなると今度はナツカが十九歳？
うーんちょっと無理がある。
ポンコツ天然幼なじみ（17）は無邪気でかわいいけれど十九となるとさすがにどうだろ……？
バランスって難しいね。
・クロエやナツカやメイファに比べて扱いの軽いミシェルかわいそう…… と思ったけど、よくよく思い返せば言及すらされなかったサオリンはさらに輪をかけて（´・ω・｀）ｶﾜｲｿｽ
彼女だってミナトの判断でクルーザーに戻され（て、その場で殺され）たっていうのに。
・ミナトくん以外のメインキャラクターは全員女の子ですが、みんな嫌味がなくてかわいくて個性的で良い子だった。ストレスフリーで読めて〇
中でもミシェルが一番好きです。かわい〜^
でもクロエもおバカかわいかった。
彼女の死はトラウマ級ですが……
・個人的に好きな台詞。
「ちち違うんですよ、だってっ……い、いいいつもにょミニャト教官でしたら絶対ドレイとか言い出しゅ場面じゃったじゃにゃ……ってアアアアアア噛み過ぎだろクソがっ！」
少女は思いきりセルフビンタした。
ここ↑のクロエの勢いと、ここ↓のミナトとナツカのやりとりがお気に入り。
「ミナトくん死んだら、なんにも意味無いよ。そんなの、モチの無いモチ屋でしょ」
「一瞬考え込むような言葉作るな。ならさ、間を取って、一緒に生き残ろうぜ」
実際に一瞬考え込んでしまったので笑った。
◆
実は一年くらい前からセールを狙ってたのですが、待てど暮らせど値が下がらなかったのでこの度ようやく諦め、普通に（と言いつつちゃっかり50％offクーポンを使って）購入した次第です。
結論としてはなんでもっと早く読まなかったんだろうとよくある感じで後悔した。
2巻も読みます。
