減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。
返せ。
実際手に取ったのは書影の文庫版ではなくソフトカバーの単行本なんですけどまあそれはともかく。
冒頭、初っ端からパワーのある言葉に心を掴まれそのまま物語にずるずると引き込まれてしまった。
(返せ。私の自尊心。じゃなくて、私の自尊心。返せ。の順なのがすごく良いよね。返せ。の力強さがよく効いてる)
アルマゲドンにしろ何にしろ、イマイチきちんとした説明がなされないのが良いっすね。
結局、佐野の死の真相なんてどうでもいいのだ。
で、文体なんだけど、読点少なめの一人称語りも大雑把にざばーーーっと読み進められて良い感じ。
リズム感とかとても好き。
終始心地好く読み進められたと思う。
(いい加減ニュアンスを表現するために擬音を使うの卒業しろよ……)
さらに本書は
第一部「アルマゲドン」
第二部「三門」──「崖」「森」「グルグル魔人」
第三部「JUMPSTART MY HEART」
のざっくり分けて三部構成になっているのだけども。
「崖」の前半部分ですでに 前章ラストとの繋がりが見えなさすぎて困惑していたのだけど、続く「森」で完全に「(面白いけど)マジでなんだこれ……」という気持ちになった。真顔になった。
でも最後でちゃんと繋がったのでよかった。
いやちゃんと繋がった…… のか……? 繋がったよな? 繋がってるよね?これ。
面白かったです。
近いうちにディスコ探偵も読みましょうね。