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【感想】フェオーリア魔法戦記読んだよ

これこれ! こんな旭簑雄が読みたかったんだよ!

最近「おや? ここはイナギャブログかな????」ってくらいイナギャのことしか書いていなかったので、久しぶりに別のネタをうpしようと思う。

てなわけで本の感想。

ずっと読む読む(読めん読めん)言うてたフェオーリアをたったいま読み終えました。
最初は電車の中で大人しく読んでいたのだけれど、四章越えたあたりから本当に面白くなってきて、最終的に職場でも読んだ。
エンジンのかかりが遅いのが難だけど、中盤から終盤にかけてグングン尻上がりに面白くなっていく素敵な本だった。


■微妙にネタバレしてある感想

四章越えるまでは正直しんどかったんだな〜。これが。
何度も途中で寝落ちしつつ、それでいて頭に入らないもんだから同じ箇所を繰り返し読み直したりしていて、本当全く進まなかった。

なお、これに関しては作品ではなく完全に私が悪い。

始めっから真っ当なファンタジー戦記として読んでいればかなり楽しめたんだろうけれど(というかそういう意味では普通に面白かった)、いかんせん私が頭から「レターズ/ヴァニシング」みたいな内容を期待して読み始めたため、微妙に肩透かしを喰らった気分だったのです。


自分が読みたかった旭蓑雄はこれだー!となったのが四章後半〜最終章。
詳しく言及はしないが、圧倒的だった。

レタヴァニ読んだ時も思ったけど、戦闘描写が妙に巧いので五章は夢中になって読んだ。
凝った表現は何も使っていないのに、なんというかこう、描写が鮮やかでキレがいいんですよね。
情景が脳内にするする浮かんでくるというか。

右手に剣を、左手に秘策を握りしめ、再度攻撃を開始する。
横なぎの剣をしゃがんでかわし、即座に顎を狙ってくるひざ蹴りを肩で受ける。衝撃を利用して回転し、バックブローの要領で剣の柄を相手の腰に思い切り叩きつけた。
肩が粉砕された感触。
同時に、手応えがあった。

ここ特に好き。


タイトルの意味がわかる瞬間が鳥肌モノ。
死して想いは転生するんですね。ドラマチックや〜。


またラストも映画っぽくて素敵なんだこれが。

それからクレスはぼくの手を離すと、両の瞳に決意の光を宿らせた。そして、隠された三つ目の瞳にも······。
クレスはサークレットを外し、額の目を露わにした。
この都市にきてからずっと隠していた、変異種モルフであることの動かぬ証拠。
それを彼女が明らかにするということの意味が、ぼくにはよくわかっていた。

「そうだ、変異種モルフとして生きるんだ。やっぱり、君は変に着飾らない方が似合ってる。君の三つ目の瞳は、とても綺麗だよ」

「ありがとう、トトポン」

クレスはにっこりと笑い、もう一度ぼくを抱きしめると、ブラックストーンの街へと飛び出していった。
トトポン──彼女のその言葉は魔法のように、いつまでもぼくの中に鳴り響いていた。


映画っぽいよね〜。


爽やかで前向き、大円団やハッピーエンドではないのに、未来や希望を感じさせてくれる100点満点のラストシーン。
自然とレタヴァニ2巻のラストを思い出した。(あれもすごく素敵だった)


心地の良い疲労感と達成感。
まるで良質な劇場アニメを一本観たかのような読後感。(これはおそらくラストシーンの所為だけど)


■キャラクター

個人的には、不器用で、そして同時にどこまでも人間臭かったトトポンが一番好きかな。

あとアルバレス
作中では外道且つ小物感漂う悪者として扱われているけれど、私からすると、都市のことを第一に想う、(ちょっと歪んだ欲望を抱いてはいるけど)強い信念を持った人間・・・ に思える。
結構好きなキャラクターだし、実際、四章の彼視点はとても面白く読んだ。
特にソデリーンとの最期の対話。
あそこの一連のやりとり(というか8割方アルバレスのセリフなんだけど)本当に好き。


ていうかクレスから見たトトポンってあんなに冷めた性格してるの・・・ 怖・・・


■まとめ

総評としては、心の底から読んでよかったと思える一冊だった。

著者の別作品、レターズ/ヴァニシング(全2巻)とセットで全力でおすすめして回りたい。
そして読後の感想を聞きたい。
その間私は青春デバッガーか、おとたん読んで待ってますので。